
実は編入前にいつかの高校を見学しました。様々な学校を見て回ったものの正直どの学校に入ればいいのかまったく見当がつきませんでした。わかったのは、施設の違いぐらいです。南山国際に編入することを決めたのには、二つ理由がありました。残りの人生を家族で過ごせる時間は限られているので家族が住む名古屋から通学できる学校に通いたい。そして、進路についてじっくり考えたかったので、高校卒業後の選択肢が豊富な学校がよいというきわめて単純な理由でした。
そのような経緯で私は南山国際に高校二年の春に編入し、卒業までを南山国際で過ごしましたが、もし、もう一度高校二年生に戻り学校を選びなおすとしても、間違いなく南山国際への編入学を希望します。
新しい学校での生活に慣れるまでは、日本での高校生活に戸惑い、幾分かのカルチャー・ショックも受けました。しかしながら数週間もたつと、帰国子女が特別視されない南山国際の環境はとても自由で過ごしやすく、日々の学校生活を楽しみながらゆっくりと自分の将来について考えることができました。南アフリカと日本の教育内容が違うため、勉強したことのない科目が複数あったのですが、先生に自由に話しかけられる職員室では気軽に分からない部分を聞きに行くことができました。その上、先生方も古典や日本史をまったく学習したことのない私に対し、親身になってサポートしてくださいました。そのような環境だったからこそ、海外での経験に引け目を感じることなく、私は自分の意思に一番正直な進路に進めたように思います。南山国際高校卒業後の一学期間を東京都の国際基督教大学で過ごした私は、2009年夏から四年間をアメリカ・インディアナ州のDePauw Universityに在籍します。
居心地の良い校風もさながら、一緒に時間を過ごした友人、そして、親身になってくれる先生方と「人」に恵まれました。各々が自分で進路を考えなくてはいけないとはいえ、毎年さまざまな進路に進む生徒たちを支えてきた先生はとても頼りになる存在でした。高校三年次の担任の先生は、知りあって一学期間にもかかわらず、私の長所と短所をしっかりと見て推薦状を書いてくださいました。そして何より、海外でさまざまな文化や言語に触れてきた同級生たちと過ごす時間は純粋に楽しかったです。
二年間という短い間ではありましたが、南山国際にいられてよかったです。